【書評】『ゲームの企画書 (3)』~ゲームで遊ぶ行為とはなんだ?~【感想】

電ファミニコゲーマー人気Web連載企画、書籍化第3弾!

人気コンテンツ「ゲームの企画書」の書籍化も第3弾となった。

全3章からなる構成だが、まさに三者三様となるバラエティに富んだ内容だ。

ゲームファンじゃなくても、エンターテインメント業界を目指す人なら必読な一冊。読み応え満点。今回も紹介していきたいと思います。

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ナムコの生き字引が語るゲームの歴史

第1章ではナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)の歴史を振り返りつつ、娯楽製品をつくる難しさやヒット商品の秘密を探っていきます。

登場するのはバンダイナムコホールディングス顧問、石川祝男さん。そして石川さんの下で様々な開発をしてきたバンダイナムコアミューズメントの相木伸一郎さんと小山順一朗さん。

長年、アーケードゲーム畑で働いてきた3名の開発者ですが、プレイステーション2などのコンシューマゲームの台頭でアーケードゲーム事業消滅の危機に陥ります。

上層部から「どうせ売れないから、やめておけ」と言われても、己を信じて開発を続け、そして『太鼓の達人』や『アイドルマスター』などが大ヒット。

ヒット商品は何がきっかけで売れるのか? その過程がとてもおもしろい。

くじけずに諦めずに、やり続けるというのは本当に大切なことだな、と思い知らされました。

スポーツをビデオゲーム化して楽しむ意味とは?

第2章は、人はなぜスポーツをビデオゲームでするのだろう?

『実況パワフルプロ野球』開発チームから谷渕弘さんと豊原浩司さん。『みんなのGOLF』開発チームから小林康秀さんと村守将志さん。この4名でスポーツをビデオゲームで遊ぶという意味を深堀りしていきます。

『パワプロ』『みんゴル』両チームとも、スポーツシミュレーションゲームをつくっている、というよりアクションゲームをつくっている、というのがとても興味深いですね。

そして、ゲームならではの「嘘」をついて、プレイした時の快適さや納得感を与える。デフォルメをすることでリアリティを出す。

などなど、多くのアイデアが満載。

この点を意識して遊んでみると、もっと奥深く遊べるかも。

少数精鋭で高品質のゲームをつくる流儀

最後の第3章では『イース』シリーズや『軌跡』シリーズを生み出してきたゲーム開発会社の老舗、日本ファルコム。

創業者であり会長の加藤正幸さんと、若くして社長に抜擢された近藤季洋さん。そして聞き手としてメディアミックス紙『コンプティーク』初代編集長である佐藤辰男さんを迎えての座談会です。

社員数約50名という少ない会社で約1年に1作品の高品質のゲームタイトルを生み出している、とても不思議な会社。

なぜ少人数ながら高水準のタイトルをつくりだしているのか?

それは全員参加で開発をしているから。分業というのがない。こんなゲーム会社初めて聞きました。なにせ近藤社長自らがゲームシナリオも書いてます。

みんなゲームが好きだから職務に関係なく制作に参加しているんですね。

そして、アニメ監督の新海誠さんや、ゲームミュージックの巨匠・古代祐三さん、『ゼノギアス』『ゼノブレイド』の高橋哲哉さん、などの才能を輩出しているのも興味深いところ。

まとめ

エンターテインメント業界は波がとても激しい世界だといわれています。

商品がヒットし流行したとしても、すぐに飽きられてしまう。

バンダイナムコや日本ファルコムという歴史ある会社にしても、『パワプロ』『みんゴル』という歴史あるゲームタイトルにしても、どう荒波の世界をくぐり抜けてきたのか。

みんなで知恵を絞りながら、自らの感性に頼りながら、試行錯誤しながら、様々な方法で今に至っている。

まるで冒険譚を読んでるような気持ちになってワクワクしながら読める一冊です。

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