【書評】『ゲームの企画書 (2)』~小説にも映画にもできない体験を~【感想】

電ファミニコゲーマーの好評Web連載シリーズ、書籍化第2弾!

「ゲームをつくる人々の証言や活動の記録を残していく」

電ファミニコゲーマーによる人気コンテンツ「ゲームの企画書」

第2弾ではゲームでしか体験できない楽しみを生み出してきた開発者にフォーカスをあてている。

これもまた読みごたえがあり、たいへん面白い内容に仕上がっているので紹介したい。

常に最先端のゲームをいく革命的な発想

第1章では体感ゲームの生みの親であり『バーチャファイター』『シェンムー』で世界的にゲームクリエイターに影響を与えた鈴木裕さんが登場。

対談相手として3D格闘ゲーム『鉄拳』シリーズの原田勝弘さんと、鈴木さんの生み出すゲームのスゴみについて語ります。

鈴木さんはデジタルゲームよりもアナログゲームのほうを好んでいるんですね。ワイン、ビリヤード、スキーに自動車などの趣味が超一流だとか。

だからこそ当時のビデオゲームに対して違和感のようなものを感じていたそうです。「なぜ自動車がちょっとこすっただけで大爆発を起こすんだ?」と。

今では当たり前に思うことも当時のゲーム業界ではそうじゃなかった。

ゲームをしない人と同じ感覚だったんですね。そんないわば一般の感覚を持った鈴木さんがつくるゲームは世界中のゲーム業界に革命を起こします。

今まで見たことのないゲーム体験を次々と生み出しユーザーに驚きと新鮮さを与え、夢中にしていきます。

スポーツのワクワク感を再現するための丁寧な技術

第2章は『ベストプレープロ野球』『ダービースタリオン』の開発者、薗部博之さん。

そして、その薗部さんを尊敬してやまない『ポケットモンスター』で有名な開発会社ゲームフリークから田谷正夫さん、一之瀬剛さん、森本茂樹さんたちと共に『ダービースタリオン』を語ります。

僕はプログラムのことは何もわかりません。アルゴリズムとか言われても一体なんのことだか。

競馬においても、そもそもギャンブル自体に興味がないので面白さがわからない。でもここで語られる話はとても面白い。

なぜならば、スポーツの面白さをどうゲーム上で表現したのか? その考え方にいたる話がとてもわかりやすく説明され、すんなりと頭に入ってくるから。

競馬の面白さとは何なのか? それを丁寧に抽出していき見事に再現していく。開発者自身でさえも予測がつかないゲーム結果が起きるからさらに面白い。

プログラムのことはわからないけど、そんなことも組み立てていくことができるのか! と、驚きをもって読みすすめることができます。

ゲーム開発者の異端児がたどり着いたゲームテクノロジー

最後の第3章には水口哲也さん。セガ在籍時には『セガラリー チャンピオンシップ』『スペースチャンネル5』『Rez』の開発を指揮。

独立後は『テトリス エフェクト』『Rez Infinite』など最先端技術を利用したゲーム開発でユーザーを魅了しています。

とにかく水口さんは行動力が半端ない。そしてとても大胆です。思い立ったが吉日、とばかりにあちこちと飛び回ります。それを許し受け入れる当時のセガの社風も素晴らしい。

そんな水口さんですが、ゲーム開発においてモニターのなかで表現を完結しないといけないことにフラストレーションがあったとか。

しかし、VR技術を手に入れたことによって様々な制約から解き放されたと言います。

このインタビューをおこなった電ファミニコゲーマー編集部は事前に『Rez Infinite』をプレイし相当の感動をおぼえたたらしく、その興奮が文章からも伝わってきます。

読んでる僕自身もVRを体験し遊んでみたくなりました。

まとめ

鈴木裕さん、薗部博之さん、そして水口哲也さん。お三方に共通しているのは、ゲームからゲームを学んでいないこと。

類まれな才能をもっているのはもちろんのこと、諦めない、くじけない、やり続ける。これはどんな仕事であれ、事を成すために必要な要素なんじゃないか、と共感をおぼえました。

コメント

  1. […] 関連記事>>>【書評】『ゲームの企画書 (2)』~小説にも映画にもできない体験を~【感… […]